Arctic Lavvo for Wanderout Edition

Arctic Lavvo for wanderout Edition MV

北極圏のスタイルを探し求め


静かに薪ストーブを眺め、オーセンティックに過ごしたくなる冬キャンプ。世界中の新しいスタイルを探し、辿り着いたノルウェーの Arctic Lavvo(アークティック・ラヴォ)に、wanderout 限定仕様のTCテントの製作を依頼しました。そろそろ発売できることになり、今回はブランドのご紹介と、昨年からテストしていたレビューを書いてみたいと思います。

Arctic Lavvo の代表作 Aurora Sled はスノーモービルで牽引し、北極圏を旅するモダンなスタイル。これを見て、気にならない人はいないのでは。ラップランド北部のカウトケイノで活動する彼らは、遊牧民としてテント(Lavvo)で暮らしてきた、北極圏の先住民族サーミ人の文化や価値観、そして職人の技が継承されています。30年以上の歴史がある工場は、北欧を中心に世界中でその確かなクオリティは知られており、2016年からブランドとして活動をスタート。クラシックとモダンを融合したスタイルは、唯一無二の存在です。ぜひ、各動画を合わせてご覧ください。

 

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創業メンバーの一人は、実際に伝統的なサーミ人のテントで生まれ育ち、その確かな経験と知識は開発に大きな影響を与えています。現在でも工場にはサーミ人が数名在籍し、伝統が引き継がれていることはとても素晴らしいことです。「自然に不必要な負担をかけず、必要なものだけを収穫すべき」 、Arctic Lavvo のプロダクトにはサーミ人の価値観と姿勢が反映されています。
 
プロダクトが倫理的に、そして健全な方法で生産されなければならないと考える彼らは、カウトケイノに工場を持つことで、町に雇用を創出し、生産工程と労働条件を確実に管理することを可能にしています。もちろん工場の電力は、環境にやさしいノルウェーの水力発電のみ。原材料の仕入れ先まで、同じ価値観と姿勢を持つパートナーを探し、倫理的に優れた高品質な原材料を選択しています。

 

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伝統的なサーミ人のテントを継承 

 

常設を想定したテントがメインの Arctic Lavvo ですが、唯一軽量で手軽に持ち運べるモデル Venor Enstangslavvo が存在します。もっとも伝統的なサーミ人のテントを発展させ、 多数のフレームワークからワンポールに置き換えたシンプルな構造です。アメリカ先住民のティピーに似ていますが、サーミ人のテントは背が低く取り回しが良いのが特徴で、その佇まいは、普遍的でとても美しいバランスです。 
 
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Arctic Lavvo / Venor Enstangslavvo 12-14

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北極圏の厳しい環境下で繰り返されるテスト


常設を可能にするスペック


北極圏の厳しい環境下で数年間使用された Venor Enstangslavvo 12-14 を日本に取り寄せ、耐久性をチェック。常設を可能にするスペックは、適切な使用とメンテナンスにより何十年も使用できるよう設計されているため、わずかな汚れと経年劣化が見られるのみ。擦れや、縫製のほつれ、煙突ポートまわりの痛みなど、気になる箇所は全く問題ありませんでした。大量生産の安価な原材料は使用せず、高品質な原材料を選定し、ひとつひとつ丁寧に縫製されていることが伝わります。

 

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Arctic Lavvo / Venor Enstangslavvo 12-14

 

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昨年から、日本のさまざまな環境でテスト

 

12角形の広い居住空間

 

ワンポールテントの最大のデメリットである空間の狭さは、ボトムを12角形にすることで、広い居住空間を確保しつつ、高い耐風性を実現しています。コットやチェアなど、ある程度高さのあるギアも側面にセット可能です。ヨーロッパの上質なインポート素材のように、とても雰囲気のあるTCを使用しているため、テントというより別荘にいるような感覚です。薪ストーブを眺め、ずっとこもっていたくなります。もちろん結露はせず、これを一回経験してしまうと、他のテントになかなか戻れません。サーミ人が家族で一生を過ごしてきた、心地良いバランスが継承されています。

 

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取り回しやすいサイズ

最大サイズの 12-14 は、高さ356cm、直径530cmですが、重さは18.9kgのため大型のTCテントとしては軽量です。収納も45cm x 75cm x 25cmの取り回しやすいサイズ感。Tesla Model 3 に乗っていますが、フランク(フロントの荷室)にジャストサイズで収まり、効率良く持ち運んでいます。

設営撤収は2人以上がベストですが、ワンポールなので慣れると一人でも対応できる手軽さです。大型テントを収納袋に入れるのはとても大変ですが、袋が2倍ほどの大きさに広がるため、とても簡単に出し入れできます。

 

確かな耐久性

 

薪ストーブのインストールで大変なのが、煙突の断熱対策です。金属製の煙突ポートを備えるため、煙突カバーを使う必要がありません。スカートは外側と内側と二重構造のため、風をシャットアウトし、テント内を効率良く温めます。センターポールは質実剛健なアルミポール、上級者向きですが、テント内の焚き火にも対応します。

テント内での火器の使用は、自己責任のもと行う必要があるため、確かな耐久性と、信頼と実績のあるメーカーを選定したいところ。私たちは、ノルウェーの Arctic Lavvo に辿り着き、日本でのテストを経て、TCテントの製作を依頼しました。北極圏の先住民族サーミ人の文化や価値観、そして職人の技が継承され、オーセンティックなスタイルとしては、抜群の雰囲気です。

 

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タイムレスな存在

 

1年間のテストを経て、日本の四季に合わせたモデルが完成しました。静寂なサンドカラーは、日本の景観と調和するタイムレスな佇まいです。TC素材は起毛を排除して四季に対応し、パリッとした上質な張りを与え、佇まいも美しく強度を増しています。アルミのセンターポールも厚みを増し、サーミ人のように世代を超えて受け継がれるよう、最高峰にアップデートされた耐久性です。サイズはテストしていた 12-14 サイズから一回り小さい 8-10 を選択し、十分な広さと取り回しやすさを併せ持ちます。モスキートネット付きの2つののエントランスを設け、高温多湿の夏場にも対応。もちろん冬場は薪ストーブで、北極圏の本質のスタイルを体験して頂きたい特別なテントです。

2つのエントランスは本当に必要なのかと、最後まで議論になりましたが、日本を理解していただくための良いきっかけとなりました。Arctic Lavvo としては初の試みです。ただただ、カラーを変更しただけの取り組みではなく、両者の経験が反映された、ひとつのプロダクトです。次回はぜひ日本、または北極圏で共に旅をし、新たな取り組みへ。

 

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ARCTIC LAVVO / wanderout EDITION VENOR ENSTANGSLAVVO 8-10 

 

wanderoutは「人と自然が共生する社会のための羅針盤となる」ことを目指しスタートしたプロジェクト。Journalでは、プロダクトの紹介やライフスタイルについての記事に加えて、特集として、私達がお手本としたい活動をされている方々にお話を伺い、これからの生き方を学び、みなさんとシェアしていきたいと考えています。

 

 

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Exod Dialogue
Exclusive Launch / Hxo Design for Wanderout